~Let’s enjoy sports!~今年のJリーグの結果で感じること~

2019.12.27

令和元年がもうすぐ終わろうとしていますが、今年のJリーグは私としては予想外の横浜F・マリノスの優勝で幕を閉じました。昨年は、降格争いをして16位で入れ替え戦を戦ったジュビロ磐田と同じ勝ち点、得失点差で辛くも残留した中で、翌年での優勝というのは「Jリーグ」を物語っている結果と言えます。降格争い後や、昇格の翌年に優勝できるというのは、欧州リーグではまずありえないことです。欧州リーグは戦力の差が明確に出て、上位のクラブの顔ぶれはほぼ変わりません。日本においても、DAZNとの契約により優勝賞金及び配分金に差をつけてクラブ間格差を生み出し、超ビッグクラブを創ることを意図しているように思えます。その候補の筆頭にある浦和レッズは、アジアチャンピオンズリーグこそ準優勝まで進みましたが、Jリーグでは最終節まで降格争いに巻き込まれ、最終節でようやく残留を確定させることになりました。Jリーグというリーグは、クラブの売り上げには格差があるものの、欧州ほど順位に影響を及ぼさないと言われて久しいリーグです。10年前の研究結果で示しているデータでは、まだJリーグの創設後間もなくでクラブの強化に関する能力が備わっていないのではないかという推論がされましたが、それから年月は経ち、創設されてもはや四半世紀を経過しました。それでも浮き沈みが激しく、強化費用と順位の相関が崩れるのはなぜなのでしょうか。

J2においても、私がシニアアドバイザーを務めているツエーゲン金沢の強化費用はJ2の中で最低レベルですが、一時期はプレーオフ圏内を争い、最終順位は11位となりました。強化費用の差を感じさせない戦いをシーズン通じて演じてきました。自動昇格の2位に滑り込んだ横浜FCにおいては、監督が途中解任となり、その後快進撃を続けての自動昇格と世界のリーグではなかなか聞いたことがないことが起きています。

Jリーグの特徴として、若手が日本代表クラスの実力を持つと、海外移籍を試みるケースが多くなっています。これは市場の原理で、海外で活躍できれば収入は圧倒的に高くなり、そして世界からの注目も浴びるので、現状では止めることができません。外国人に目を移すと、実績のあるベテランから中堅、若手と幅広く存在します。韓国人の選手はGKを中心に多く存在し、東南アジアの選手がレギュラークラスで活躍するケースも出てきました。

Jリーグは創設以来J1で平均観客数が20,000人を超えていました。戦力格差が少ない分、試合は拮抗して、観る者からするとスリリングで面白いという魅力があります。日本は現在未曾有の少子高齢化により大きな危機を迎えています。日本代表クラスの選手の海外移籍が避けられない中で、ラグビー代表では純血でなくとも盛り上がることを証明しました。サッカーにおいても、海外からもっと選手を集めて日本に来て働いてもらう構図を作っていく必要があるのではないかと思います。一般社会においては、労働力を日本人だけに頼れない社会になっているのが現実です。島国日本は、純血主義的で差別的なところがかつてはありましたが、もはや国の危機を迎えています。グローバルスポーツであるサッカーが先頭に立って、他民族リーグの代表となり、市場を拡大して、他のスポーツビジネスのモデルとなるような存在となることを期待したい。

著者プロフィール

佐々木 達也(東京都出身)

・城西大学 経営学部 准教授  スポーツマーケティング・マネジメント分野領域を専門とする。
・早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。早稲田大学スポーツ科学研究科修了。
・大手総合広告代理店にてスポーツに関する業務に携わり、Jリーグクラブ勤務後、金沢星稜大学人間科学部スポーツ学科講師を経て現職。現在もJ2ツエーゲン金沢シニアアドバイザーを務める。